以前、お知らせしていました補聴器に関する調査の「ジャパントラック」について昨年、「ジャパントラック2015」が発表されましたのでご紹介します。
ジャパントラック2015はアノバム社(スイス・チューリッヒ)が、日本補聴器工業会(JHIMA)の代理として、実施したものです。
サンプルサイズは、14,316人を対象に難聴者1,306人。(補聴器非所有難聴者890人、補聴器所有者416人。)で行っています。
日本で難聴の方が、どこで補聴器を購入しているか調査を行ったところ以下のようになっています。
〇補聴器専門店:49%(2012 56%)
〇メガネ店:14%(2012 18%)
〇病院:13%(2012 2%)
〇インターネット:12%(2012 7%)
〇通信販売:7%(2012 7%)
〇電気店:2%(2012 4%)
〇その他(福祉事務所・時計店・宝石店・デパートなど):2%(2012 10%)
補聴器所有者の半数は補聴器専門店で購入している。
対面販売ではない、通信販売やインターネットを介して購入した補聴器の満足度は相対的に低い。
日本の難聴者の比率は、人口の11,3%、このうち13,5%しか補聴器を所有していません。(2012では14,1%)補聴器所有者の46%が両耳装用であった。
更に、補聴器に満足しているのは39%(2012では36%)、逆に補聴器を持っていても全く使っていない人は7%(2012では12%)になるそうです。
欧米での調査でも、難聴者の比率はあまり変わりませんが、このうち補聴器を所有している人は30~40%。
驚くことに補聴器の満足度は、78,2%
つまり欧米の補聴器を買った人の大半は「買って良かった!」と思っています。
欧米諸国に比べ、日本で補聴器の普及率や満足度が向上しない原因としては、有資格者(認定補聴器技能者)から補聴器のフィッティングを受けておらず、買ったっきり調整が行われていない人が多いことが考えられます。
補聴器所有者の84%が補聴器の使用により、生活の質(QOL)が改善したと答えています。
反面、補聴器非所有難聴者に関する分析で補聴器を所有しない理由のトップ5は
○わずらわしい。
○補聴器を使用しても元の聞こえに戻らない。
○難聴がそれほど酷くない。
○補聴器は騒音下では役に立たない。
○ほとんどの場所で自分はよく聞こえている。
その他に、補聴器のデザインが良くない。難聴(補聴器をしていること)であることを公にしたくない。などなど、様々な理由や間違った情報もあるようです。
補聴器所有者の91%は、補聴器をしていることでからかわれたり、仲間外れにされたことは無く逆に喜ばれているのに対し、補聴器非装用者の方がその事を意識しすぎているようである。
そのことを踏まえても、補聴器に対する誤解を解いていかなければなりません。
現在、認定補聴器技能者の数は日本全国で、3,239人(2016年2月15日現在。人口比率では約37,000人強に一人)
ちなみに、「認定補聴器技能者」という名称を知っている難聴者は15%でした。(2012 16%)一般の方になるともっと少なくなりますので、認知アップが必要ですね。
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